<RPAに関する実態調査>

調査結果①:企業が抱える、RPA導入に伴う課題・悩みとは?

●回答者の属性

今回RPA導入済み・導入予定企業で働く人を対象に調査を実施したところ、従業員規模では100人未満の企業が一番多く(27.5%)、次いで500人以上1,000人未満(17.0%)、100人以上300人未満(16.5%)の企業と続いています。業種別では情報通信・IT関連企業が約2割、次いで卸売・小売業、製造業が続きました。業務の分野については「総務/労務・人事系」領域(40.0%)、「財務・会計/経理業務」領域(38.5%)、「情報システム系業務」領域(38.0%)などが自動化の対象領域として挙げられています。

●RPA導入・運用に関する課題があるユーザーは91.5%

RPAの導入前/導入後において、26.6%が運用上の課題や不安ごと/困りごとが「かなりある」、65. 5%が「多少ある」と回答しました。既に導入から時間が経っているにもかかわらず、83%がまだ課題を抱えている状況であることがわかりました。

RPAの導入前/導入後において、運用上の課題や不安ごと/困りごとはありますか

●導入にあたって大きな課題はコスト、約半数が社内人材や組織体制に不安

導入前の段階における課題としては「コストがネックになっている」という回答が一番多く67.0%、次いで「どのツールを選べばよいのかわからない(48.0%)」、「社内の人材・組織体制が不十分(47.0%)」が続きました。

また、導入後の運用プロセスでの課題・不安としては「社内の人材・組織体制が不十分」という回答が49.0%と一番多く、「期待していたほどの効果が出ない/投資対効果がわからない」が40.5%、「不具合・問題が起きた時にどう対処したらいいかわからない」が39.5%と続きました。

●RPA導入を失敗に終わらせないために・・・押さえるべきポイント

企業でのRPA導入にあたり、バックオフィス系の業務から自動化の対象となるケースが多いという実情がありつつも、担当者がツールの管理や運用ができるまでの知識や経験がなかったり、100名未満の企業だと、そもそもの担当者の人数が少なく、運用が周り出すまでの組織体制が不安定になったりということが課題となってきてしまいます。導入したらそこで終わりではなく当然継続して運用していかないといけないわけですが、その管理運用できる人材がいないという事も多くの人が継続的に抱えている悩みのようです。

またツール選びについても導入の旗振り役となる部署の担当者が十分な知識を持っていないなどの理由で、対象業務に最適なツールの選び方がわからない、価格が適正かどうかの判断ができない、という事も大きな課題となっているようです。

今回の調査で課題として挙がってきた上記の点をクリアすることは、RPA導入を成功させるためにも必ず押さえるべきポイントとであると考えられます。1つは正しい業務整理とツール選定です。ここで躓くと、効率化どころか、せっかくの投資が無駄になってしまいます。ツールは手段であり、目的ではありません。各ツールの価格や機能の違いを単純比較したところで、正しいツールは選べません。「どのツールを入れようか?」の前に、「どの業務が自動化できるだろうか?」を整理することが重要です。自動化対象となる業務の洗い出しは、情シス/IT系部門よりも、実際の業務をよくわかっている現場の担当者が中心になって進めていく必要があります。そしてその棚卸した業務に合ったツールを選ばないと、結果活用しきれないままになってしまったり、ゆくゆく別のツールに載せ替えなければならなくなったりしてしまいます。そのような場合、どの業務が自動化可能なのか、という判断が難しいケースもあるため、RPAの知識を持つ業務整理の専門家と進めていくほうがスムーズなこともあるでしょう。

もう1つは社内人材の育成です。業務整理同様、自動化対象業務について熟知しているのは現場の担当者です。そういった人たちが「ロボットを触れる」状態にしておかないと、不具合が起きた時の対応や、更なる拡張も難しくなってしまいます。導入時は情シス/ITチームとの連携や、外部専門家のサポートのもと進めていく事が可能ですが、ずっとそのような体制を敷いていく事は不可能です。長期的に見た場合、「内製化」は非常に重要なキーワードであり、継続的に社内で運用が可能な人材育成とナレッジの蓄積・共有が必須となってきます。ツールによっては無料のオンライントレーニング環境が整備されていますし、それらの補完としても活用できるワークショップ形式の講座も開催されています。こういったものを最大限活用して社内運用人材を育てていく事も、継続的な成功を得るためのカギとなるでしょう。

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  • 【調査実施概要】
  • 「RPAに関する調査」
  • ・調査方法  :インターネットアンケート
  • ・調査実施機関:楽天リサーチ株式会社
  • ・調査実施期間:2018年6月22日(金)~2018年6月25日(月)
  • ・対象地域  :全国
  • ・対象者   :自社でRPAを導入済み/導入予定のユーザー200名