<RPAに関する実態調査>

調査結果②:「投資すべきところ」の見極めと本質的な課題解決に導くツール選定が最初のカギ

●導入にあたっての方針、約7割は「コスト抑えたい」

RPA導入にあたっての御社の方針に当てはまるものはどちらですか

RPA導入にあたっての方針としては「コストを最低限に抑えて、人材育成も鑑み内製化したい」という回答が33.5%、次いで「多少の投資をした上で、人材育成も鑑み内製化したい」が24.0%と、半数以上が導入後自社内で運用していきたいと回答しました。またコストについては7割がなるべく抑えたいという回答でした。事業規模による顕著な傾向は見られませんが、100人未満の事業所ではコストを最小限に抑えたいという方針が一番多く、多少の投資が必要と考えているのは3,000人以上5,000人未満の事業所が一番多いという結果でした。

●ツール導入に際して重視すること、最も多かったのは「価格」

RPAツール導入時に重視することは何かという問いに対し、6割近くが「価格」と回答、「(ツールの)導入実績」も半数を上回りました。日本人にとって、海外製品のUIは障壁となるという声も聞かれますが、「国産製品であること」を重視していると回答したのは1割にとどまり、それよりも拡張性の方が重要という声が多くなる結果となりました。

●ライセンス購入の費用、4分の1が「300万~500万」

ライセンス購入費用については、「300万円以上500万円未満」が一番多く約26%、次に「100万円以上300万円未満」が23%という結果となりました。従業員規模によって金額の差があることがわかります。

●RPA導入後に出てくる課題に「効果がわからない」「ツールが使いづらい」

RPA運用に伴う課題を尋ねたところ、「人材・組織体制が不十分」が49.0%、「期待していたほどの効果が出ない/投資対効果がわからない」が40.5%、また、「ツールの機能やUI、操作性に不安・不満がある」との回答が34.0%、「変更が発生した場合に時間とコストがかかる」との回答が30.0%ありました。

●導入済みの76%が「RPAの効果を感じている」

RPA導入の効果を14.0%が「非常に感じている」、62.0%が「やや感じている」と回答しました。なお、効果を感じている人が、導入時に重視していたのは「ツールの拡張性」で、逆に効果を感じていない人が重視していた項目は「ツールの価格」でした。

ライセンス購入費用別でみた場合、効果を感じている割合が一番大きい価格帯は100万円以上300万円未満、反対にそれ以外の価格帯は一定の割合で効果を感じていない層がいるという結果が出ました。また、全く感じていないという回答があったのは100万円未満のみでした。

●費用を抑えすぎてもかけすぎても効果が出ないケースはある、予算を軸に方針を決めないことが重要

ツール導入にあたって、初期コストはなるべく抑えたいという思いは従業員規模にかかわらず、多くのの企業が指向していることです。しかし「価格」ありきでツールを選んでしまうと、そのツールでできることが少ないという事が後からわかった、使いづらかった、思ったほどの効果が出なかった、などといった問題が後々出てくることも多く、実例として挙がってきているケースも見られます。ツールによってライセンス費用ももちろん違いますが、単純な価格比較で導入を決めてしまっては長期的にみると損失になるリスクもあるため、十分な注意が必要です。

かといって、やみくもにコストをかければ効果が出る、というわけでも決してありません。ツール選びを間違えず、自動化できる業務の棚卸を正しく行えれば、小さな投資で徐々に自動化範囲を拡張していき、大きな効果を得ることは十分可能です。最近は導入のハードルを下げた安い価格帯のツールも多く出てきていますが、「とりあえず安い費用で試してみる」という方針で進めるのではなく、最初は専門家の力を借りながら適切な業務整理と拡張性も見据えたツール選定を行い、スモールスタートで少しずつ運用しつつ、徐々に適用業務範囲を広げていくことが重要です。軌道に乗るまでは、運用のプロのサポートを積極的に活用するのも良いでしょう。重要なのは、事業規模・業務に合ったツール選びと、必要なところへのタイムリーな予算投下。RPAは導入したら終わり、というツールではなく、継続的に拡張させながら成果を積み上げていくことで、長期的な効果を得ることができるもの、という認識を改めて持つことが大切です。

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  • 【調査実施概要】
  • 「RPAに関する調査」
  • ・調査方法  :インターネットアンケート
  • ・調査実施機関:楽天リサーチ株式会社
  • ・調査実施期間:2018年6月22日(金)~2018年6月25日(月)
  • ・対象地域  :全国
  • ・対象者   :自社でRPAを導入済み/導入予定のユーザー200名